■930320白馬みねかた散策報告■


  

【1.序章】
  マッサージの先生からは、これ以上過激な負荷は未だ無理、
   と釘を刺されている。
  そうはいっても、
   せっかく身につき始めた技術を放置しておくのはもったいない。
  第一、好きなクロカン(クロスカントリースキー、XCスキー)を
   やめる積もりも毛頭無い。
   まだまだシーズンは終ってはいないのだ。
  あぁ、雪がおいらを呼んでいる。
  
  と、いう訳で、
   今シーズンはレースへのエントリーこそ諦めたものの、
  クロカンへの思いは断ち難く、
  誘って下さる仲間も出来ましたので、のこのこと出かけてきた。
  場所は白馬みねかた。
  つい先日、スキーマラソン大会に参戦したのと
   全く同じフィールドである。
  場所の選定はお仲間(高田さん。)にお任せだったが、
  紆余曲折の末、ここに決定。
  私自身も、白馬は非常に景観の良いコース故、
   是非とも散策を目的として、
  一度ゆっくりと回りたいと思っておりましたので、
   二つ返事で賛成致しました。
  結果は期待以上の楽しいものとなった。
  
  
 【2.第1日目】
  3/20未明。夜中に車で拾って貰い、一路、白馬へ向かう。
  途中、渋滞に捕まってしまい、やや不安ではあったが、
  クレージーキャッツとかもんたつおのCDのお蔭で
  退屈することも、暗い方向へ気持ちが向くこともなく、
  脳天気な気分のまま、
   「さぁぁ、ぶぁ〜っと行ってみよぉぉっ」などと叫びつつ、
  結局、10時頃に現地へ到着。
  時間がもったいないので、
   宿へは寄らず、白馬みねかたスキー場へ直行する。
  スキー場のすぐ近くには、日帰り客専用の無料駐車場があるので、
  そこへ車を入れる。
  
  駐車場と、スキー場入口のトイレで着替えを済ませ、
   紫外線防止クリームを塗り、靴を履き替え、板を解き、
   荷物の中から食料を取り出してデイバッグに詰め込む。
  メンバーの服装は、
  高田夫妻がテレマークスタイル、
  たつのすけさんはアルペンのものを流用、
  私とすえたいさんは自転車用のウェア
   (私がMTB、すえたいさんはロード)、
  と、バラエティーに富んだものとなった。
  支度が済んだところで、リフトで頂上まで一気に上がる。
  降りた処にXCスキーのレストハウスがある。
  たつのすけさんは、ここでレンタルの手続きを済ませた。
  あとのメンバーは、
  既に自分の板を履いて待機して...
   .いるような大人しい性格ではない。
  高田さんの奥様は、流石にレストハウスの付近、
   判り易い場所に居たけれど、
  「高田サンは?」と聞くと、
   既にワシワシと付近を這い回っているとのご返事。
  すえたいさんも、やおらテレマークターンを始めたりと
   落ち着かぬ様子でそこらをウロウロとしている。
  
  そりゃぁ、しかたがない。
  天気はドピーカン、そんな日に景色の良い、
   高いところに居るのである。
  雪だってしっかり締まっていて、良く滑べるのである。
  雪が締まるほど、顔の筋肉は緩んでしまうのは「自然の摂理」だ。
  
  ...と、いう訳で、以上の4人に私を含め、
   顔に締まりのない総勢5人が揃った。
  ちなみに、私はスケーティングの板、
  すえたいさんは鱗付きのクロカンの板
   (幅が5センチ程の細身の板)、
  高田夫妻は、テレマークの板
   (実はクロカン用の板も持ってきていたらしい。)、
  たつのすけさんは、先ほどのレンタルの板で、
  鱗付きのクロカン用だが、板の幅はやや広い。
  
  小屋の脇にはクロスカントリースキーコース
   (一周約5キロ)の案内図がある。
  その前を通り過ぎ、5分ほど歩くと、コースの入口だ。
  先日の大会の時に雪で積み上げた表彰台が、まだ残っていた。
  S氏と二人でワックステストを行ったあたりで、
  軽く、滑らせ方等の練習をした後、
  緩やかな起伏となっている場所で、
   主に下りでの制動の練習をする。
  
  練習をした付近は、小さな丘の集合体のような地形をしている。
  そうした丘に囲まれた、くぼみの様な場所で練習をした。
  そこから周囲の丘を眺めると、その先は真っ青な空しか見えない。
  各々の丘は、其れほど密集していない林で形成されている。
  その、林を縫うようにして、
  幅5m程の圧雪されたコースが蛇行しながら通っている。
  スキー場のすぐ脇であるにもかかわらず、
   喧騒の全く無い、静寂の世界だ。
  我々は、景色を愛で、雪と森林のの匂いを満喫し、
   静寂を楽しんでいるのだ。
  きゃぁきゃぁと喚きながら。
  
  皆さん、だいぶ、慣れてきた(練習にも飽きた?)ようなので、
  昼食の場所探しも兼ねて、コースへ出ることにした。
  
  コースは、起伏に富んでおり、
  登りも下りも初心者にとっては
   ややキツイのではないかと思っていたが、
  道幅が5M位で、圧雪車によってしっかりと整備されており、
  尚且つ急なカーブなども少ないので、
  安心して回ることが出来るよう配慮されているようである。
  実際にメンバーが登り降りするのを見ていたが、
   鱗付きの板であれば
   登りもそれほど苦労しているようには見受けられず、
  下りにしても道幅が広いこともありすぐに慣れてしまうようであった。
  
  登りと下りを3回ほど繰り返したあたりで、
   どっと眺望が開ける場所がある。
  看板のようなものに、そこから見える山々の絵が描いてあり、
  どの山が何という名前か判るようになっている。
   コースの脇はすこし平らに
  整地されており、一休みしながら食事をするのには良い場所だ。
  ここで食事をとることにする。
  
  
  車から荷物をデイバッグに移すとき、
   人の食料は詰め込んだのだが、
  持参してきたコンロ、食器類を詰め忘れた私のせいで、
  メンバーは分割調理を強いられる。
  しかし、高田夫妻の事前の気配りと、
   すえたいさん等の食器提供に助けられ、
  なんとか全員、食事にありつくことが出来た。
   (その節はごめんなさい<(=.=)>)
  皆さん、こうしたことに慣れておられるようで、手際が良い。
  モツ鍋やポークビッツ入りチキンラーメン、
  (あれ?カレーうどんだったっけ?^^;)
  その他もろもろ、
  「これでもかっ」と、言うほど、
   次から次へと美味しい料理が出来上るが、
  事前の手間や、調理人の苦労をあざ笑うかのように、
   いともあっけなく、
  各自の胃袋へ、これまた次から次へと食料が消えて逝く。
  私も早く、調理の手際を覚えて、楽しめるようになりたい。
  (ワックスやスクレーパー等は、本人が意識しなくても、
  気が付くと、ちゃんとジャージのポケットに収まっている。
  食事の道具や材料も、
   この位の域に達しなければいけませんね^^;がんばります。)
  
  皆の胃袋が満たされたところで、コースの続きを回ることにする。
  
  食べて元気が出たせいか、皆、下りでは制動がしっかりしてきた。
  体の動きと異なる方向に板が向いている人もいなくなった。
  自分なりに、板が操れるようになってきたようだ。
  見ていても不安定な挙動が無くなってきた。
  コースの起伏も想定に近い状態であったので、
  最近の恒例となっている、自分の課題の消化を始めることにする。
  
  課題は、こうだ。
  01.登りで、板がスムースに出ること。
     (ストックワークとの兼ねあいはどうか?)
  02.出した板に、乗り遅れないようにすること。(同上。)
  03.下りでは、どのような状況下にあっても、板に乗っていること、
    例えば、片足を上げながら、
    出来るだけ長い時間、滑べっていられること。
  04.下りで制動することなく、
     自分の描いたラインを忠実にトレース出来ること。
    (板と雪面との関係は、どうなっていれば良いのか?
     重心移動のタイミングは、何時が適切か?
     そのために必要な動作は何か?)
  05.下りで得た加速を殺さずに、
     そのまま登りへ移行する為の連続した動作の研究。
  06.特に、左の腕が、痛めた肘を無意識にかばっているせいで
    振り切れていない。
    意識して矯正する。
  07.複数の走法をミックスして走る場合、
    動作の移行が未だ滑らかでない。研究。
  
  言葉にして書き連ねると、随分と大げさになってしまうが、
  要は、一歩一歩の動作をゆっくりと、正確に行い、
  体が板に乗っていない、
   或いは思い通りに操作出来ない部分を取り上げて、
  解決策を考えているだけである。
  教科書やマニュアルの行間にある前提、
   分解写真の狭間、
  諸先輩や先生、知人のアドバイス(言葉)の
   裏側にある彼等のイメージ。
  そこの部分は、各自が過去のスポーツ等で得た体験と
   照らし合わせながら、
  自分の体で納得し、自分の言葉に翻訳しながら
   埋めて行かなければ、スキルは自分のものにならない。
  
  皆の板の調子、疲れ具合などを見、
   各々の滑べりを適時チェックし、
  ときおりアドバイスをしながら列の前と後ろを行ったり来たりしつつ、
  課題を消化してゆく。
  とはいっても、まだまだ実現できない技術や、
   未解決の課題も多いが、
  まぁ、いい。毎回二つか三つ、モノになれば上出来だ。
  焦らずに、ゆっくりとやろう。
  
  ここを下ればスタートラインに戻る、
   という地点に差しかかった。
  皆は既に下った地点で待っている。
  短いが、比較的きつい下り。しかし、
   下りきったところは平地が広がっている。
  ここならば、多少思い切ったことをやって
   コースアウトしても心配はない。
  下りながらスケーティングで更に加速し、
   スピードが乗ったところで、
  いよいよ本日最後の課題の実践だ。
  板は平行に。間隔は、できるだけ狭くする。
   腰の位置は高いままだ。
  こころもち、板を前後にずらし、
   両方の板をフラットにして、更に加速。
  左右の板の、片方だけ、少しエッジを立てる。
  身体を乗せたまま、減速することもなく、
   板が緩いカーブを描き出す。
  もう一度、フラットに戻す。板は直進を始める。
  今度は反対側の板で同じ事をする。
  体重は、前足に加重するよりも、後ろ足に気持ち、
   残した方が操作が安定する。
  よしよし。順調だ。
  さて、ここから先が本番だ。
  
  下りきる直前から右に急旋回するようなラインをイメージし、
  その、描いたラインをトレースして行く。
  先ほどと同じ動作を行うが、
   今度はアンギュレーションは採らない。
  当然、「ぐるりん」っと、回ってしまうが、もともと描いたラインが
  そうなっているのだから、これで良いはずだ。
  むしろ、アンギュレーションを採らない分だけ、
   加速するのではないか。
  あとは、旋回が終了する直前からバランスを立て直し、
  重心移動により、スケーティングへの連携動作に
   繋がれば申し分無い。
  思い切って突っ込んで行く。
  ここで旋回だ、という地点でバランスが大きく崩れてしまう。
  後ろに重心が残ってしまい、
   エッジの操作が思うように行かない。
  腹筋とストックワークで荷重バランスのリカバーを試みるが、
   間に合わず、
  結局、ラインから大幅にコースアウト。あ〜あ。
  この課題は今日で3回目のトライだ。
  少しずつ出来るようになってきてはいるが、未だ、届かない。
  この次は、もう少し板の間隔を開いてトライしてみよう。
  
  皆の元へ戻り、更に少しコースを歩き、車に戻ることにする。
  リフトの所でたつのすけさんがスキーを返し、
   彼はリフトで降りることに。
  残った4人は、初心者向けの林間コース(アルペンのゲレンデ)を、
  滑べりながら降りることにした。
  雪の無いときであれば、
   車道や林間散策道であろうと思われるコース。
  分岐点には、緑やオレンジ色のコース標識があるが、
  この初心者コースは、(確か)緑色の標識に沿って行けば
   トレース出来るので、
  道に迷って急斜面に紛れ込むことも無い。
  また、暴走スキーヤーが突っ込んでくることも無いので、
  カーブを曲る毎に開ける眺望を楽しみながら、
  比較的安全に降りてくることが出来る。
  加えて、先ほどまでのクロカンのコースとは異なり、
   下り一辺倒なので、
  専用コースとはまた違った楽しさがある。
  専用コースでは、しつこいほど制動、制動と騒いでいたので、
  皆、それほど苦しむこともなく、下り続ける斜面でも
   自分のペースでこなして行く。
  
  すえたいさんなどは、あの、細身の板で、
   連続的にテレマークターンを決めながら
  華麗にしゃわしゃわと滑べって行く。
  
  高田さんは、「先に行ってていいよ」と、言ったら、
  「あ。」っというまに「・」になってしまった。
  途中、急斜面のあるコースに分岐する地点があるので、
   勢い余ってそちらに
  行ってしまったのではないかと心配したが、流石高田さん、
  しっかり二つほど先のポイントで待っていてくれた。
  何時もの、あの嬉しそうな笑顔で。
  
  奥様も、堅実な滑べりで、しっかりとついてくる。
  慣れてきたのか、それとも何かを掴んだのか、
  どんどんフォームが安定してくるのには、驚いた。
  
  下ではたつのすけさんが待っていた。
  早速荷物を車に投げ込んで、宿へと向かう。
  宿は白馬駅を挟んでコースとは反対側である。
  細かく、軽く、渇いた粉雪が舞い始め、
   清里風のペンションが建ち並ぶ一角に、
  その宿はあった。
  
  部屋も割と広く、手入れも行き届いた、感じの良いペンションだ。
  荷物を解き、着替え、一息ついてから風呂に入る。
  湯船につかりながら、
   今日酷使した筋肉を時間を掛けてゆっくりと揉む。
  あがってから念のためモビラートを塗っておく。
  部屋に戻る。
  皆とわいわい噺をしているうちに、流石に疲れたのか、
  約2箇所あたりからイビキが聴こえ始める。
  食後は、そんな事情もあり、早々と布団を敷いてしまう。
  「未だ7時だぜ、」と、思ったのが、
   実はその日の私の最後の記憶であった。
  
  
  【3.第2日目】
  翌朝。
  どう考えても10時間以上は寝ている為か、
   気分はすこぶる快調。
  皆、「実は自分はイビキが激しくって..」などと
  お互いに牽制しあっていた割には、
   彼等に悩まされた記憶が無い。
  どうやら昨晩は自分が一番の加害者だったらしい。
  
  試してみたかったワックスがあったので、
  出掛けに、皆の板を軽く研き、ワクシングする。
  時間も場所も限られていたので、宿の前、屋外での
  「生塗+スクレーピング+軍手均し」という荒業に及んだが、
  その割には旨く定着したようだ。
  
  スキー場に到着。
  早速リフトで頂上へ。
  たつのすけさんは、再びレンタル手続きを済ませる。
  たつのすけさんの板も、
   持参のスクレーパーでジャギジャギになっている
  エッジ部分を均し、皆と同じワックスを塗る。
  自分の板は、前回白馬で塗ったまま。
  未だ滑べるので、そのままにしておいた。
  昨日と比べ、板の滑べりが良くなり、喜んで貰えた。良かった。
  板の滑べりが良いと、加速、制動を問わず、
   テクニックの効きが良くなる。
  普段、NIftyServeのXC-SKIの会議室に
   書き込んでいることを実感して貰えたようだ。
  
  準備が整ったところで、全員で昨日下ったコースを下る。
  板やコースに慣れてきたこともあるのだろう、皆、軽快に下って行く。
  下まで降りて、もう一度、リフトで頂上へ。
  靴の規格が同じすえたいさんに、私の板を履いて貰い、
  「競技スキー板体験」をしてもらったりして戯れつつ、
  昨日、練習をした「くぼみ」の辺りで昼食。
  その後、たつのすけさんは、昨日同様、頂上で板を返却したが、
  残りのメンバーは、再び同じコースを下って降りた。
  もっと滑べっていたかったが、帰りの混雑を考えるとそうもいかない。
  残念だが帰路についた。
  
  メンバーが役者揃い故、帰路も描写に足る珍道中ではあったが、
  今回は割愛。^^;
  
  「踏み固められた雪のコースを下る楽しさ」
  が大きなウェイトを占める散策だったが、なかなか楽しめた。
  
  スキー場としては、比較的空いている部類に入るのではないかと思うが、
  それが逆にフィールドとしては良い印象に繋がっているのかも知れない。
  晴天率も比較的高そうだし、アクセスの問題はあるかも知れないが、
  皆で集まってオフをやるには、良い場所ではないかと思った。
  
  機会が有れば、是非、こうした散策をやりたいものだ。

 
  

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