■930306白馬みねかたスキーマラソン参戦■


  

【1.大会前日】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


3/6(土):

朝6時起床。6時32分の始発バスで最寄りの駅へ向かう。
田園都市線で渋谷にでてから、JRで新宿へ。
8:00発の「あずさ」に乗り込み、一路、白馬へ向かう。

白馬駅12時3分到着。案内所へ寄ると、現地の宿まで送迎バスを出してくれた。

13時頃。宿を出て、すぐ近くの白馬みねかたスキー場に行き、リフトで山頂まで行く。
白馬みねかたのXCスキー場は山頂にあった。
リフトを降りてすぐ右側がXCスキーフィールドの入口。
リフト降り場のすぐ近くにはレンタルショップ(?)があった。

会場へ着くと、既に設営が始まっている。
連日の寝不足状態から体調が重く、動作が緩慢になっている為、本来ならば講習会が開かれる13時迄に会場に集合予定だったが早速、遅刻。
設営していた方にコースレイアウト等を教えて貰い、 デイバッグを背負ったまま、後を追うことにした。
程無く、追い付く。
驚いた。
後で解ったことだが、コースの半分以上が急な登り坂である。
初心者の方達が、逆八の字でふんばったまま、坂のあちこちに「張り付いている」^^;。
 「立て板に水を流す」という言葉があるが、へばりついた方達が我慢しきれずにズリズリと落ちてくる様は、「立て板に納豆を流す」と、いった感じだ。スタミナ不足の体には辛いコースのようだ。

前日には白馬入りして、今日もコースを回っている筈のS氏ともお合いしたかったので、「失礼しまっす」を連呼しつつ先へ行く。
FCYCLEの某軍団がヨダレを垂らして喜びそうな登りが、これでもか、これでもかと続く。
登り切るとあたりは何処も周辺の山々のパノラマが素晴らしい景色。
ゆっくりと散策がてら回るには、案外良いレイアウトかも知れぬ。
下りは登りとほぼ同じ斜度。
しかも、所々カーブしているので、加速したままクラウチング゙姿勢で飛び込んだりすると、曲った先で誰かが転んでいたりする。
ここも要注意ポイントだ。

なんだかんだといっているうちに、スタート地点に戻っている。
時間を見ると、25分程しか経過していない。
よくよく聞いてみると、途中で10キロコース用の分岐点があり、そこで右に入らなければならなかった模様。
どっと疲れたが、コースレイアウトが頭に入っていないと不利だと思われたので、やむなく分岐点まで戻り、残りを回る。
なんと、さっき登ってきたリフトの脇、つまりゲレンデを下り、途中で180度ヘアピンカーブがあり、遊歩道と思われる道からスタート地点へ戻り、更に少し回ってゴールするレイアウト。
 「あ、こりゃダメだ。」と、思う。
こんなにゆっくり回っただけで、脂汗が止まらなくなっている。
裏磐梯の時のような起伏が穏やかなコースでは無いので、試合では体に相当な負荷がかかるだろう。
しかも、周回コースでも無いので、途中でリタイアしても、結局、ゴール迄は残りの距離を歩かなければ帰れない。
体を騙しながら、ゆっくり走るしか手はない、と、思う。

裏磐梯の時は、毎周休みを入れながら、結局時速10キロだった。
今度は休める場所が無いし、やはりそのくらいはかかるだろう。
1時間で回れれば恩の字かもしれない。
やはり、入賞圏内に入れるようになるのは来シーズンのことか..。

ゴール地点に着き、関係者の方にお話を伺っているところへ、S氏が丁度、通りかかった。
呼び止めて、先日の雪質の情報提供の御礼を言う。
もう少し、回りましょうか、と、いうことになり、回り始める。
こちらはすでに体力が枯れてしまっている状態なので、S氏には申し訳なかったが、途中で何度も待たせてしまった。
何だかんだと言っているうちに、一周回ってしまう。
結局、20キロ、走ってしまった^^;。
ゴール地点迄戻ってきた時に、S氏がワックスの効きを試したいと言い出したので、私の板とS氏の板をお互いが交互に履いて、200メートル程を往復してタイムを計る、ということを何度かやる。
見ていた回りの人達が、「よくやるよ」といった顔で笑っている。
同じ板では、それ程差が出ない(とは言ってもS氏の方が早い)。
板でいえば、明らかにS氏の板の方が滑べる。
尤も、私の板のワックスは、低温用のものをベースに塗っている。(暖かい湿雪だと聞いていたが、塗り直す暇が無かった為。)
S氏のワックスを聞いてみると、未だ私が試したことが無いものであった。お願いをして、そのワックスをいただくことにして、宿に帰ったら自分も塗ってみることにした。(好奇心が強いのだ^^;)
ワックスの考え方は自分とほぼ同じだが、 「セーラ」を使っているのがミソである。
どの程度のものか、試してみるのも良いかも知れない。

宿に帰り、夕食を挟んで二人でワクシングにとりかかる。
S氏は専用のバイス(万力)を使って始めた。当方は「手持ち」^^;。
当方持参のアイロンは、温度設定が可能故にS氏は気に入った模様。(「セーラ」は設定温度が100度を越える。通常は80度位。)
セーラは決して安い値段のワックスではない。
こちらから申し出て、応分の実費を支払い、一本分けて貰うことにした。
まず、ワックスを剥し、明日の降水確率80%を踏まえ、当方は自分のカーボン系のワックスをベースとして塗る。
これを剥して今度はシリコンを塗る。
体調が悪い為か、いくらブラッシングしてもワックスが全然落ちない。
なんとなく所々剥しムラが見えるし、滑走面もいつものようには光らない。体も思うように動かず、イライラしはじめる。
いつもの3倍位時間をかけても奇麗に落ちないので諦めて、次のステップへ進む。
シリコンを再度塗り、軽く剥し、その上から固形のセーラを生塗りする。
更にアイロンで溶かし落した後、しっかりと圧着させる。
今度は気合いを入れ直して、わしわしとワックスを剥す。
剥し終ったら、馬毛のブラシでよく擦り、完成。
S氏は、シリコンとやはりカーボン系のものの混合をベースとし、セーラ(固形)を塗った後、顆粒のセーラをかぶせた。
私と異なり、オール・セーラファミリーで固めた模様。完璧だ。
しかし、ワックスが当るかどうか、今は誰にも解らない。また、時間をかけたからといってそれだけ効果がある訳でもない。
さて。
明日は、誰のワックスが当るか?
呼吸も荒く、脂汗もだらだらと流している癖に、そんな風に、真剣に勝つことを考え始めている自分に気づき、奮い立つ。

試合で悔いのない結果を残す為の条件というものがあると思う。
01.体力、02.技術力、03.知識、04.精神力、05.集中力。
現在の自分には体力は無い。
スケーティングも昨年の暮れに覚えた状態だ。
これまでに修得した技術、学生時代に身に着けた試合運び...その全てをコンセントレーションによって昇華させる。
そして、今日頭に入れた、コースの起伏に合わせた試合展開、応用技術の実践。
絶対的な成績は、「結果」が全てだ。自分ではどうしようもない。今、持っている力を全て出し切ることに、意識を集中させる。
そうだ。そうしよう。それしか無い。
板に触っていると、だんだんと気持ちが一つの方向に収束してゆく。
ワクシングは、自分にとって試合前の大切な儀式なのかも知れない。

【2.大会当日】

3/7(日):
朝6時起床。顔を洗い、朝食を済ませ、エントリー手続きも済ます。
昨日は体調が悪く、夕食も半分しか食べられなかった。
何度もトイレに行くが、いま一つすっきりとしない。
あきらめて、会場へ行く。
会場到着。
前日の予報では80%の確率で雨であったが、まだ、晴れている。
ウォーミングアップを兼ねて、少し、試走する。
腕を使う度に、意識して腹筋を使っていると、案の定「モヨオシテ」きた。
スタート付近にあるトイレに駆けこみ、目的を達する。
体が少し、軽くなる。
ワックスは、まぁまぁだ。昨日に比べたら随分滑りが軽い。
仕上げに、馬毛のブラシで、再度、滑走面を擦っておく。
開会式が終わり、スタートまで数分となる。
適当なところでスタート地点に戻り、最前列に陣取る。

スタートする。
今回は全者一斉スタートなので、とにかく先頭グループに入って
道が狭くなる前に、良いポジションを得ておこうと思い、
自分にしてはかなりオーバーペースで走る。
なんとか、そこそこのポジションをキープできたが、お陰で
最初の登りで早くも体がオーバーヒートした。急に速度が堕ちる。
ここで、S氏に抜き去られる。
FCYCLEに生息する某マゾ軍団が泣いて喜びそうな登りが
これでもか、これでもかと続く。
ゆっくりと登る積もりならばそれほどではないのだろうが、
タイムを意識して走ろうとすればするほど、
「壁」のように見えてくる。
裏磐梯以来、登りと下りのアプローチは、自分なりに研究し、
原村や奥蓼科に出かけたときにも色々と試していたので、
裏磐梯の時よりは、イメージに近い登り方が出来るようになっていた。
登りでも一歩一歩が確実に滑っているのが実感できる。
しかし、スタミナ不足は覆うべくもない。
前半は苦しいときには無理をせずに、ペースダウンした。
登れば下りが待っている^^;。
下りはクラウチングで突っ込めれば楽なのだが、
あちらこちらで人が転んでいたり、
お爺さんが立ち止まって青空を眺めながら
道の真ん中で休んでいたりするので、油断が出来ない。
(歩くスキーの参加者も同時スタートなので、当然。)
いつでも制動や方向転換が出来るようにややセーブ気味に下る。
それでも、結果的には3回も転び、1回は転びはしなかったが
避け切れずに、コースアウトしてしまい、新雪を15m程
進んでしまった。転んだ方がタイムは良かったかもしれない。
平地は少なく、アップダウンの繰り返しであるが、
登りで頑張り、緩い下りで加速し、
急な下りで休む、というインターバルが
後半になって自分のリズムになってきた。
既に、早い人は先を走っており、ときおり抜いて行く若者も
登りでは私の方が早く、抜き返したり
(登りで抜かれるとダメージ、大きいんだよね。悪いことをした。)
といった一進一退状態となる。

しばらくして、自分を抜き去った人達の数や年齢を考えると、
その殆どが男子一部(18〜29歳)らしいと気が付いた。
下りから登りにかけての部分が、
一般の人より高速で通過できているのと、
コースレイアウトが頭に入っていることが幸いしているようだ。
あいかわらずスタミナがあるとも思えないが、既にゴール迄あと1キロも無い。
         
体に無理を強いることになるので闘争心を解放するのは
ちょっと危険かな、との思いが脳裏をかすめるが、
その時にはすでに体は加速を始めていた。
(ええい、もうなるようになれっ^^;)

こうなると、もう止められない。
下りもギリギリまで減速しない。最後で強引に制動し、急旋回。
休まずに加速に入り、登りも腕、足、腹筋全てを総動員させた
フォームに切り替わる。声も呼吸も、大きく、荒くなるのが判る。
後ろから誰かが追い上げてきても、譲らずに加速する。
(勿論、追い付かせたりはしない。)
両腕も動作を大きくし、雪に刺したストックに全体重を預け、
腹筋を使ってストックに胸を思いッきり近づけ、
ストックを通じてその体重を、雪面を押す力に替える。
ストックの脇を腰が通りすぎたら、今度は腕を思いッきり後方に
突きはなす。このときにもう一度、加速のピークが出来るのが判る。
よしっ、良い調子だ。
前進の動きが大きく、早くなり、
全ての動作が推進力に変わって行くのが実感できる。
平地でも顔が風をきっているのが判る。
ゴールが見えてきた。
リズムも、スピード感も、一つ一つのキックも、
今シーズン最高の状態で走っている自分が「見える」。
訳の判らない言葉と奇声を発しながら、ゴールインする。
「やったっ!」

何を「やった」のか、自分自身でも良く判らないが、とにかく、
今シーズン最高の滑りをし、完全燃焼出来たのは間違い無い。
爽快感が全身を駆け巡る。
少し落ち着いてから、自分の成績を掲示してあるボードを見に行く。
クラス毎に、ゼッケンと名前、走破時間を書いた小さなカードが
洗濯鋏でボードの針金に付けられている。
自分のカードは、未だ取り付けられていないが、
自分のクラスには、未だ3人しかカードが無い。
1位はS氏。なんと31分だ。
そのスピードに驚いたが、
男子一部の記録を見ると、一位はS氏よりも更に10分近く早い。
それほど時間差があるにもかかわらず、
気持ちが高揚しているせいか、
「ふむ。あと一歩で射定距離だな。」
などと、不敵に笑っている自分は、我ながら不気味だ^^;。
それも、S氏の記録と男子一部最速の記録、
両方に対して思っていたのだから身の程知らず、ここに極まる。
暫くして自分のカードが張り出された。
4位だった。
時間は40分56秒62(S氏より10分も遅い)。
酸欠気味の脳味噌を総動員して暗算して見ると、
概ね時速15キロ換算。
先日の裏磐梯の時に設けた目標、時速15キロは、
これで達成したことになる。
今シーズンは、雪の上に出る度に、
イメージに過ぎなかった滑りや技術が
どんどんと自分のものになっていったので、
旨くすれば来シーズンには相応の成績が
残せるようになるかも知れないなぁ、と、思っていた。
まさか、これほど早く当初目標を達成するとは思っていなかった。
嬉しかった。
6位までは表彰台が用意され、賞状とメダル、商品が手渡される。
受け取ったときは、嬉しかった。
S氏と、知り合いで記念写真を撮り、宿に帰って熱カンでS氏と
再び乾杯。送迎バスで白馬駅に出て、帰宅した。

そ の 後 :

今回の自分の記録を、歴代2回の記録と比べて見た。
男子2部では5〜6位程度に収まり、
1部では10位にはなんとか入るレベルだった。
(私だけを歴代の記録と比較した場合の成績。)
それほど悪い成績ではなさそうなので、改めてほっとした。
但し、従来ならば帰ってきてからの方が体重が増えていたのに、
今回は3キロ程度減っており、鏡でチェックしてみても、
肋骨が浮き出ている始末。2〜3日は食欲も出なかった。
マッサージの先生も、「右腕が異常に太く、逆に左腕は細い」
(故障中の左肘を庇って、使える腕だけで走った結果と思う。)
「足、特にスネは相当酷使しましたね」
「体が小さくなった」等と評されてしまい、
今回はかなり体に対して無理を強いていたことを
あっさりと見破られてしまった。
その意味では、再現性に乏しい記録といえる。
常に今回以上の成績を残すためには、
技術的な部分もさることながら、
特にスタミナ面での強化が、最重要課題となりそうだ。




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